スペードの女王
作品年代:昭和29年2月28日〜昭和29年8月5日
作品場所:鎌倉、赤坂、新宿
作品粗筋:ヴェールで顔を隠した女に監禁された彫師坂口亀三郎が入れ墨を強要された図柄は、以前に自分のやった「スペードの女王」という図柄だった。1ヶ月も経たぬうちに亀三郎は車に跳ねられ死亡。不審に思った妻が金田一に依頼する。奇しくもその日、片瀬で上がった水死体にも「スペードの女王」の入れ墨がなされていた……
依頼主:坂口キク女
成功報酬:旧知の人物の恩返し的要素が強いため、もらっても小額、無報酬だった可能性は高い。
登場人物
- 坂口亀三郎……「彫り亀」で通っていた一流彫物師。新宿御苑近くで車に跳ねられ死亡する。以前、金田一と等々力警部がかかわった事件で刺青を鑑定してもらったことがあった。昭和29年3月1日に昏睡している女に刺青をする。これで殺されたと妻のキクは思っている。
- 坂口キク女……彫り亀の妻。今回の直接の依頼人。
- 菊月に現れた女(スペードの女王)……顔をヴェールで隠し、『彫り亀』に依頼した25歳ぐらいの女。太股の付け根に「スペードの女王」が彫ってある。
- 坂口秀子……キクの姪。
- 運転手……亀三郎がヴェールの女と仕事をしに行った時に車を運転していた男。名前を聞かれたくないため「運転手さん」と言われていた。
- 陳隆芳……亀三郎に依頼したヴェールの女のもつ「スペードの女王」の入れ墨は、昭和22年に東銀座で亀三郎が施したもので、闇市のボスで女のパトロン。麻薬(ヘロイン)の密輸元締めでもあった。昭和27年死亡。
- 片瀬で死亡していた首無し死体……身元は不明。但し、内股に「スペードの女王」の入れ墨がしてあるという。
- 前田浜子……神田神保町にあるペンギン書房『週刊喜劇』の敏腕記者。片瀬の首なし死体の事件を気に病む。
- 前田豊子……前田浜子の姉。十指さすところの美人だが、「オンリーさん」となっていた。ある人物と豊子は小学校の同級。
- 山上八郎……神田神保町にあるペンギン書房の社主兼社長で『週刊喜劇』の名編集長。35歳前後で風采は文学青年か、挿絵画家の卵と言う感じ。前田浜子の動静をおかしく思っている。
- 木谷晴子……『週刊喜劇』の受付嬢。妙な前田浜子宛の電話を受け取る。
- 小池……『週刊喜劇』の記者
- 上杉……『週刊喜劇』の編集次長
- マスター……鈴蘭亭のマスター
- 顔なじみのボーイ……鈴蘭亭に勤めるボーイ。
- おばさま……前田浜子の言うおばさま
- 梶原直人……材木座の別荘にいた青年。ヨットで水死体を引っ掛けたと警察に通報したQ大の学生。
- 塩原宏……梶原と同じQ大の学生で、大島一週ヨットレースに梶原と共に参加。水死体を引っ掛けたと通報した。
- 石川周作……水死体を発見した高校生。
- 山本勝子……同じく水死体を発見したR大の学生。石川のアベックの相手。
- 岩永久蔵……赤坂でXYZというナイトクラブを経営する。政財界に食入る汚職屋とも呼ばれている。元新聞記者。
- 神崎八百子……XYZのホステスで岩永の愛人。極東キネマのニューフェイスに合格した経歴を持ち、太股に「スペードの女王」の入れ墨をしている。
- 古屋恭助……作家のたまご
- 東山里子……極東キネマの女優
- 中田三四郎……古屋と同じく作家のたまご
- 有明ミユキ……東山と同期の極東キネマニューフェイスだった。現在はヌード・モデル。
- 谷口健三……岩永の秘書。今回の集まりには遅れて来た。
- 古川あや子……XYZのホステス。谷口と同じ車で遅れてきた。
- 伊丹辰男……東京から谷口、古川の車に同乗してやって来た神崎八百子の友人と称する男。別荘に着いてから姿を消した。
- 福田泰治……谷口がなる前の岩永の秘書だった男。信州の高原療養所で療養中。
- 岩永夏子……岩永久蔵の正妻。
- 米川雅人……戦争中南方で岩永と知り合った元中尉で、ナイトクラブの支配人をしている。
- 金田一耕助……名探偵。
- 等々力警部……警視庁の警部。
- 高橋警部補……警視庁防犯部保安課の警部補で麻薬を専門に扱う。
- 今波警部補……鎌倉署の主任。
- 根岸栄作博士……県警の嘱託医師。神奈川県だけでなく中央にも名前が知れるベテラン医師で等々力警部とも親しい。
- 西村浩介博士……K・K病院の副院長。水死体の解剖に立ち会う。
- 一ノ瀬看護婦……K・K病院の看護婦。前田浜子からの電話を受ける。
- 井口警部補……赤坂署の主任。
- 川上技師……警視庁の科学検査所の技師。錠前の専門家。
- 須藤刑事……赤坂署の刑事。
- 島田警部補……緑ケ丘署の主任。『毒の矢』『黒い翼』で入魂の間柄。
- 新井刑事……警視庁の刑事。
- 山崎さん……緑ケ丘荘の管理人。
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